伝統中医学鍼灸 伴はり灸院

顔面神経麻痺

中医学では顔面神経麻痺を「面タン」といいます。
末梢神経麻痺の顔面麻痺は1週間に2〜3回の割合で治療すると早期に回復が見込める鍼灸治療が得意とする疾患のひとつです。

顔面神経麻痺の多くは風寒の邪が顔面部の経絡(主に陽明、少陽)に侵入し、経絡をふさぐことにより発症します。

末梢神経のベル麻痺が60%を占め、ハント症候群15%、外傷性6%、その他はオペなどの後遺症になります。日本では年間10万人中、30人が発症、20〜30歳と50〜70歳、の青壮年に多いとされます。風邪気味やストレス、疲れがたまっている時に発症するとされていましたが、最近の研究では単純ヘルペス(HSV)が原因という説があります。ウイルス感染が初期の免疫反応のトリガーとして作用し、神経内の血管の透過性を高め、神経に浮腫が生じそれが顔面神経を圧迫して麻痺を発症すると考えられます。
重症例としては、味覚障害、内耳障害、涙が出ないものは薬物療法も併用します。
神経変性を伴わないものは3〜4週で麻痺は緩解し、1〜2ケ月で完全に治癒します。

鍼灸では顔面のパルスが有効。
鍼灸がはじめての場合やパルスが怖い人にはパルスはかけません。顔用の細い針を使用します。
中医学の治則により、腕、脚、背中、お腹にも鍼をします。

顔面のマッサージと顔の表情筋の体操、気と血を増やす温灸を行なうとともに指導をします。
早期の治癒に向け毎日おこないましょう。


中風予防 三叉神経痛